MOT大学院に通うことになったっていうはなし。


はじめに。
この4月から大学院に通っている。昼間は働きながら、3日/週(平日夜×2日/週+土曜日)を使って技術経営修士(専門職)*を取得する。
*MOT [Management Of Technology] ≒ 技術版MBA のこと。

無事に入試を突破し、約10年ぶりに学生になったので、その辺を今後綴っていきたいと思う。当エントリはその前段という位置付け。

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経緯は?
きっかけは人事からの一本の電話。1月の3週目だったか、それくらいのタイミングで「人事推薦で大学院通ってほしいんだけど何か困る?」という趣旨の電話が来た。「なぜ俺?」と問うたところ、どうやら、一昨年に個人的に単科コースに通っていたことと社内唯一の開発職場にいる文系という立ち位置が“MOTっぽい”ということで選ばれた模様。通学に係る経費は全て会社が負担してくれる&仕事も上長相談したら調整してくれるとのことだったのでこの提案を受け入れることにした。

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何をモチベーションに学びにいくのか?
会社から言われて通うことになった大学院だが、個人としては何に期待をして大学院に通うのか。優劣関係なくざっと挙げてみると下記のようなところかなと思う。

  • 外の世界を知りたい
  • 自社を知りたい
  • 知識の体系化をしたい
  • 人脈を形成したい
  • 技術マネタイズの術を学びたい
  • 技術マネジメントの術を学びたい
  • 締まりのある生活をしたい
  • 機会を逃したくない


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それぞれの解説
『外の世界を知りたい』
同じ会社にいると染まる。それが嫌だった。もう少し正確に言うと、本質的な物事が見えなくなっていくのが嫌だった。新人の時は尖っていた考え方も今では大分丸くなってきていると思う。良くも悪くも。それは色々なことを知ってしまった功罪だと思う。色々なことを知り、他人との協調や組織運営に必要な思考というのを身に着けていく反面、シンプルな問いかけを自分にすることが出来なくなっていってしまうような気がして、それが嫌だった。「あれ?なんでこんなことをしているの?もっとこうすれば良くない?」というところは革新の起点だと思うし、そういった質問が浮かばなくなっていってしまうのは、目の前の事象に疑問が持てなくなるからである。外部の人・事例との接触機会を増やすことによって、自分の中の当たり前をフラットに保てるようにしたいと考えている。理想を再定義し、再定義された理想と現状との差を“素直に”見ることが出来る眼を持っていたいと思った。

『自社を知りたい』
上記したところに似ているのだが、外部によって内部を知ることがしたかった。差異を知ることで特徴を知る的な。

『知識の体系化をしたい』
仕事をしていると色んな経験やケースに出会うが、それらから得た知見を再現性あるものにするために一般化・構造化できるといいなと思っていた。また、外のケースからも一般化・構造化することで自業務への応用ができるといいな、とも。そういった意味で、ばらばらだった知識の種をここらで少し体系化された学問に落とし込んでみたいと思っている。

『人脈を形成したい』
ちょっとした技術に出会う窓口、相談できる窓口があるといいなと思った。新しいことをやろうとした時に外の会社に現在の技術とか業界状況とかを聞きたくなることはままあるのだけど、そうした時に仕事となると敷居が高く、いつも秘密保持契約がどうのこうのという話になる。そうしたことまでせずともフランクに聞ける仲間が沢山いるといいなと思った。

『技術マネタイズの術を学びたい』
競争戦略論を学びたいとか事業構想力を身に着けたい、に近い部分もあるかもしれない。とにかく技術的な種は社内に沢山あるので、それらをどうマネタイズしていくのか。それを考える力を身に着けたいなと思った。

『技術マネジメントの術を学びたい』
最近リーンスタートアップとか流行っているけど、そういった技術イノベーションを興すための工夫や考え方を身に着けたいなと思っている。基本的には自由闊達な組織が好きなんだけどどうしてもマイクロマネジメントに走らざるを得ないところとかもあり、葛藤が大きい。その辺の自分なりの正解を考える一助になればなと思っている。

『締まりのある生活をしたい』
学生生活って毎週同じ時間に授業があり、規則的に動かざるを得ない部分がある。少し窮屈な反面、そうした部分があると時間制約も大きいから時間の使い方というものをちゃんと考えるようになっていいかな、と。得てして忙しい方が初動が早くなって結果的に色んなことが出来るし。なにより怠け者の自分にはこういう制約があった方が尻に火が点いて良い気がしている。

『機会を逃したくない』
元々単科コースを取っていたくらいだし、行ってみたいなと思っていたのはある。ただ、費用面・業務時間の工面が結構しんどいので苦しいなと思っていた。そんな折での会社側から依頼だった。会社依頼だから金銭面の障壁も業務調整の障壁も消える(通学自体が業務の一環になる)というおいしい依頼。しかも今回は社内で1名だけ実施するトライアルとのことだったので、来年以降どうなるか分からなかったし、公募になって選抜試験となるとハードルも一気に上がるので、この機を逃していかん、と即断した。

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おわりに。
そんなこんなで大学院に通っています。課題と仕事の両立に苦労しながらも、今のところは何とかやり繰り出来ている。また、折を見て備忘録を書いていこうと思う。

っていうはなし。