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はじめに。
他人とのコミュニケーションにおいて気を付けていることがある。それは標題にも記載している通り、「文脈や背景をきちんと共有する」ということである。これが出来るようになってから各段にコミュニケーションエラーが減った様に思う。
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文脈や背景の共有とは?
質問・依頼・指導の際、自分の発言の背景・理由・環境をきちんと相手に伝えるということである。特にメール等でのコミュニケーションの際にこの効果は大きいように感じる。
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具体例
具体例を出した方が分かり易いと思うので、以下に一例を挙げてみる。例えば依頼事項。
例:
×「この装置の部品一覧を頂戴な。」
○「この装置の部品一覧を頂戴な。その一覧をベースに抜け漏れチェックシートをつくるので。」
物凄く簡略化するとこういう一言を添えるということ。勿論もっと冗長になる場合が多い思うが、その場合には【依頼事項】と【背景】を段落分けして手短に記載するようにしている。
質問された時も同様である。「その質問の背景は?」「このプレゼンはどういう文脈の中から話している?」というのは良く言っている気がする。この辺を確認しないで話をしていると、互いに頓珍漢な回答をしていることがままあるからだ。
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効用
文脈・背景の共有は、“推して知る” を促進する効果があると考えている。意図を共有した上で動けるので、手を抜いていいところ、しっかり裏取りした方がいいところ、やり方を変えていいところ、プロセスが大事なところ etc. まで、言わずとも共有されるからである。この効用はざっと以下のようなところになるだろう。
- やたらめったらに丁寧な仕事にせずとも相手の求める質・量・スピードで回答ができる。
- 環境変化による依頼の朝令暮改が起こっても理解を得られやすい。
- 「XXな場面ではこう動く・こう考えている」という個人の思考特性を互いに認識できるので、仕事するほどに「あの人はこの時こう感じるだろうな」というのが分かるようになってくる。
- 指導される側も何が/どこがダメかが明確になるので、修正しやすいし応用が効きやすい。
- 強い言葉を使っても、他の全ての否定をすることにはならないので、受け止めて貰え易い。
と、このように、あらゆる場面で背景共有は重要だなと感じている。
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おわりに。
冗長過ぎない必要最低限(ミニマル)な領域というのを意識しながら仕事をしていると、門外漢な領域であっても次第に勘所も分かってくる。一見、沢山の仕事をしている方が知識が得られるようにも思えるが、取捨選別・相手の考え方のインストール行為を通した方が色々なことが分かるものだなと感じている。
っていうはなし。