"ものづくり" は "ものがたりづくり" だっていうはなし。


ガイアの夜明け
つけたTVでたまたまやってた「ガイアの夜明け」に考えさせられた。本日のお題は「逆境の技術者...異分野への挑戦!」。

そこでは富士通半導体工場をたたみ、その跡地で野菜を作っていた。そしてその野菜事業の責任者は元半導体技術者。決して他人事ではない、明日は我が身な話で思わず見入った。

半導体工場跡地を眺めながらその責任者は言った。

「そりゃあ寂しいですよ。でも今は早くここを野菜でいっぱいにしたいですね。」

なんとも言えない表情が印象的だった。

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ものづくりの良さってなんだろうか。
ものづくりの良さ。それは「愛着」なのだと思う。

ガイアの夜明けに出ていた技術者の、少し寂しげな、まるで昔の恋人を語るかの如く半導体の話をしていたその姿にもそれは現れていた。

ものづくりには人間ドラマがあるから大好きだ。決して他の業態にそれがないとは思わないが、携わる製品に愛を注ぎ、まるで恋人や我が子であるかのように語れる仕事ってのは「もの」として存在しているものづくりの特権なのではないだろうか。

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来る日を思って。
幸運にも、今、自分は文系の人間ながら装置の開発部署で働いている。所謂ものづくりの最前線。毎日色んな技術者たちと話をし、たくさんのデータ取りをし、考察をし、次の検証実験を検討し、実行する毎日。当然、最初から上手くなんていかないのだけど、想定していた結果が出た時、目標にしていたスペックが出たときの気持ち良さは計り知れない。

いつの日か現場を離れる時が来るのだろうと思う。だからこそ、今、"現場" での熱と、そこにある歓びを、そこにいられるうちに全力で体感し、そして忘れないようにしなくてはと強く思う。データまとめであったりスケジュールであったり、それをパズルのように作成するのは簡単だが、そこにきちんと血を通わせる人でありたいなと思う。

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おわりに。
ものづくりとはものがたりをつくることである。そこにあるものがたりをしっかりと汲み取り、決して数字遊びではない、血の通った仕事をしていこうと思う。何も知らずに数字をいじってでかい顔しているような奴らからその裏でロマンを抱きながらものづくりをしている人たちを守れる人にならねば。それが希望を聞いて特殊な環境に置いてくれた恩返しだ。

っていうはなし。